インドぐるぐるバス旅行  2001年7月5日〜9日
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 象に乗るぞぅ

 

昨日、カンさんが「さて、明日から本格的に観光です。朝早いのですが、インド時間で言いますかそれとも日本時間でいいますか?」というので、いまさら日本時間で言われても・・・と思って「インド時間〜」って元気良く答えたら「じゃあ、4時半に起きて、5時15分に荷物をドアの外に出して朝食、6時に出発です〜」と言いました。(@_@)
わあお。最初に申し込んだ日程表にはデリーからジャイプールへといとも簡単に書いてくれていましたが私が予想した通り、この旅行はバス移動が大半。
神様どうか、乗り物酔いしないように・・・。

朝食は早すぎたのかビュッフェなんて全然用意していなくて、小さなパンケーキでした。まあ、さっき食べたばっかりの気がしていたから良いけど。途中でお腹空き過ぎたらどうしよう。日本からは食料を持ってきていない。

長い長いバス旅行の幕開けです。ベトナムに行ったときもメコン川のツアーに参加したけれど延々2時間バスに揺られていたっけ。でもね、ベトナムと違うのはインドは道あるところに必ず人間がいるということ。どんなにどんなに人気がなさそうな草原を走っていても人が暮らしている・・・。その点ではずっとベトナムより風景が楽しいの。
インド人口のほとんどが農業に従事しているんだって。

4時半にモーニングコールがあったら眠かった〜。自然とバスの揺れに負けて寝るzzz。ちょうど半分、2時間半が経った頃、トイレ休憩でドライブインに寄ったの。日本人観光客用にできている立派なドライブイン。トイレはきちんと水洗♪。
タオルを手渡してくれる女性がとてもきれいで一緒に写真を撮ってもらったの。
ドライブインには食事処とお土産物やさんが併設されていた。
でもだいぶ埃かぶっていて、触るのもためらうくらい。そんなに休憩時間がなかったので急ぎ足で見ただけだけど。物価がまだ全然わからない。(だって、物を売っているお店に入ったのはそのときが初めてだったから)
ざっと見て、バスに戻った。

そこからまた2時間半。長いたびよのう。
途中でね、トラックが横転していたの。もう目玉飛び出るかと思ったよ。そんなのテレビでしか見たことなかったし。
ドキドキを押さえられないうちに片側2車線からいきなり逆走車が・・・。またもやビックリ。その先でもう一台トラックが横転。そんなの一日何度も見るもんじゃないって。 その後にも、何日か前に横転したと見られるトラックが中央分離帯(そんな立派なものじゃないけど)で寂しく捨てられていた。
明日はわが身。くわばらくわばら。

その時間にカンさんがインドで一番信仰されている宗教、ヒンズー教の神様のお話をしてくれたの。
私は本当、何にも知識を持っていないので勉強になった〜



インド豆知識<ヒンズー教の神様編>

神様の名前
乗り物
女神様の名前
乗り物
ブラフマー(創造神)
白鳥
サラスヴァティ(芸術の神)
あひる
ビシュヌ(守護神)
ガルダ(ガルーダ)
ラクシュミ(お金の神)
ふくろう
シヴァ(破壊神)
パールヴァティ(力の神)
ライオン
 

それぞれ隣り合っている神様と女神様は夫婦なの。インドの神様は対です。(ヒンズー教には女神様いてで外来からくる男の神様を受け入れる柔軟な宗教であると言われているため)
インドでは神様同様、神様の乗り物もまた神様。だから牛は聖なる牛なのね。
走っているトラックを見ていると白鳥だかあひるだかわからない絵が書いてあるんだけど多分それも、ヒンズー教徒なんだと思った。

ラクシュミっていうお金の神様の乗り物はふくろう。それはね、お金を持った人はお金を取られないようにみんなが起きている昼間はじっと寝ていて(みんなに見守られていて)、夜になると警戒心を張って起きているの。だから、ふくろうがぴったり。

私がよく知っているのはシヴァ。よく「踊るシヴァ神」(踊っているときは名前が違うんだって)の像がお土産物やさんで売られている。
そしてもっと有名なのはガネーシャ。私は象は好きだけどどうも、ガネーシャの顔は好きになれなかった。だってねぇ。ちょっと気持ち悪いでしょう。
でもね、そんな思いを吹き飛ばすような話をカンさんから聞いたの。

シヴァが戦いに行っている間、パールヴァティは寂しくて寂しくて、自分の垢で子供を作ったの。毎日その子供と楽しく遊んでいたある日、パールワキ女神様が水浴びをするのでその子供にある言い付けをする。「だれか人が入ってきても、私が水浴びを終えるまで中にいれないでね」と。
そんなことを知らず、シヴァが帰ってくる。門の前に小さな子供一人。「おまえは誰だ」と聞いてもなにも答えない。痺れを切らしてシヴァがその子の首を切って中に入るとちょうどパールヴァティが水浴びの最中。パールヴァティは帰ってきたシヴァを見てとても喜ぶの。でもそのシヴァの槍の先に血がついているのを見つけ「その血は誰のもの?」と聞くと「家前にいた子供の血だ」と言う。
パールヴァティはそれを聞いて「あの子はあなたと私の子なのにどうして殺してしまったの」と悲しんだ。

シヴァも自分の子だとは知らなかったのでとても深い悲しみに陥って、家来に「子供の首を取って来い」と言う。でも、人間の子供はどの子供も母親の胸に抱かれていて家来は誰の首もとってこられなかったとか。シヴァは考えて考えて今度は家来たちを動物園へやった。家来たちはそこで象の首を取ってきたの。
シヴァは子供の体に象の首をつけてパールヴァティに会わせてあげると、パールヴァティは「こんなに変な格好では誰も私たちの子供にお祈りをしに来てはくれない」とまた泣いてしまう。
そこでシヴァは「では、今日からこの子を幸運の神様ガネーシャと呼ぼう」、「何人足りともこのガネーシャに手を合わせなければ他の神様にお祈りをできないことにしよう」と言った。
そこで、ガネーシャはヒンズー教のお寺の一番最初の門に必ず奉られるようになったとか。(私たちが行ったヒンズー教のお寺もちゃんとそうでした)

まだまだ話は続いて、ある日神様たちが自分たちの子供を集めて競争をさせたの。「世界を7回、回ったものを勝者としよう」と。他の神様たちの乗り物は早い乗り物。しかし、ガネーシャの乗り物はねずみなの。もちろん、ガネーシャがねずみに乗るとねずみは走ることなんてできない。ガネーシャはじっと考える。
そうすると小さい頃、母親に教わったことを思い出す。
ヒンズー教の教えは、両親を大切にすること、両親を大切にすれば世界が平和になること。ならば、両親が世界なのではないかと考え、ガネーシャは、両親の周りをねずみとともに7回回ったと言う。

他の子供たちが帰ってくると、創造神が「勝者はガネーシャだ」と言う。他の子供たちは納得いかないが、その理由を聞いてとても感心した。「おまえたちは早い乗り物を持っているからといって私が言った意味も考えずにさっさと旅に出てしまった。ガネーシャは、その意味をきちんと考えて実行に移した」と。その日からガネーシャには知恵の神様の称号も与えられたの。
それからして、ヴィシュヌの妻、ラクシュミと再婚することによってお金の神様の称号、ラクシュミはガネーシャの地位を上げるとすぐになくなってしまったので、またリテンシュミという商売の神様と結婚した。そして最後にガネーシャに商売の神様の称号がついたのだとか。

今ではガネーシャには、幸運、知恵、お金、商売と4つものご利益があるの。

ヒンズー教の教えでは、お金を扱う人はきちんと知恵もつけなくてはならないとのことでガネーシャは崇められているのだとか。


ほほう。

すっごくためになったよ。神様の名前は私にはなかなか聞き取れなかった部分があるけど、こんなにも話が面白いとは思わなかったの。
インドではどんなものにも神様が宿っているんだって。
カンさんはこの話を延々2時間くらい途中水も飲まずに話してくれた。

ジャイプールに行く途中のアンベールという街にあるアンベール城を見学するために私たちはバスを降りた。
途中から象の数が激増する。
間にはさまれてヤギ、イノシシだって激増。
ここは古い映画に出てきそうな、そう、宝捜しをするような映画、そんな町並み。
カンさんは2mのハイジャンプを昨晩練習してきたか?と聞く。もちろん象に乗るために。どうやって乗るのかなぁ?
答えは簡単。小さな塔に上るとそこに象がうまい具合にやってくるの。私たちはそれを待ち構えて乗る。
きれいにお化粧している象もいれば、そうでない象もいる。私たちが乗ったのは残念ながらお化粧していない象。ま、いいっか。
象にまたぐのかなぁ?とちょっと不安だったけど、ちゃんとした台を象が背中に背負っているの。台に乗れるのは4人まで。
私たちは3人で乗ることができた。他のグループの人たちとカメラを交換して撮りあいっこすることにした。
象からの眺めはすごいすごい。
じりじりと暑いインドの日差しもまっすぐに浴びてしまう。途中、象の鼻しぶき!?(鼻水とは違うと思いたい)が飛んでくる。
象使いのおじさんが私たちに「ボールペン」と言って、書く素振りをする。なんだろう?と思ったけれどちょっとしてわかった。ボールペンが欲しいのだ。
私は、昨日のニッコーホテルで失敬してきたボールペンを1本手渡した。
ありがとうとも言わず、ボールペンをすぐしまった。

私たちの象はなかなか元気で2頭前の象を抜かしてお城の頂上に到着。降りるときに、象使いのおじさんがまた「I have 2 familes. 1 more bollpointpen」と言った。おいおい、もう一家族だって?「もうないよ〜」と言うと諦めて象を連れてどこかに行ってしまった。

私たちが象から降りるといつのまにかカンさんが待っていた。どこから現れたのか?ガイドは大変である。

アンベール城は、ラージプート族のマン・シング王によって築かれた城。ここは小さな砦だったの。それを大きくしたのは18世紀だそう。もっと雨が降るとアンベール城のふもとには大きな湖があるんだけど私たちが行った頃には雨があまり降っていなくて湖と呼べるものはなかったの。また、アンベール城から向こうの山を見ると万里の長城のよう。それだけをバックに写真を撮ると絶対わからないって!?(私だけ?)

アンベール城の中を写真を撮る場合は75ルピー必要だと言われて、みんなやめちゃったの。でもさ、考えたら210円なんだよね。払って撮ればよかった。ちょっとそう思った。だから、写真はネガシェ門まで。↑この門の装飾もすごいきれい。
帰りは、ジープに乗って降りたの。でも、かなりサバイバルって感じ。


アンベール城からホテルまではそう遠くなかった。途中にホテルを入れてくれるなんてちょっと嬉しい心配り。今日の宿はトライデント・ジャイプール。すごく良いホテルだよ〜。ちょうど前に湖畔があって私たちの部屋は最上階の4階。しかも湖畔に浮かぶ「水の宮殿」ビューなの。この水の宮殿はマハラジャの夏の宮殿として使われていたの。

昼食をトライデントホテルで取って午後2時半から、ジャイプール市街の風の宮殿、シティパレス、天文台ジャンタルマンタルを見に行くことになりました。暑いからね〜。この休憩が心地よい。
レストランはバイキング形式。「生野菜やフルーツは自分で皮をむくもの以外食べてはダメ!」とカンさんに言われていたので諦めたの〜。私は海外に行くとバイキングでフルーツをどんなに楽しみにしているか!ちょっと残念。
でも、食事がおいしい。カレーがおいしい。カレーはマトンやチキンが主流。(牛は食べないからね)でもそのマトンが、全然におわなくておいしいの。
私はちょっとマトンが苦手だったけど、どんどん食べれちゃった。
カンさんも「日本のマトンはまずい。インドのマトンはうまい。食べたことないけどね。日本の」と笑っていた。

さあて、午後からの観光までちょっと疲れを取るぞ〜。
2日目後編に続く。

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