懐かしい日本〜南奥伊豆・大沢温泉ホテルに泊まる  2004年10月30日〜31日
home
 

今回は、だんなの人の両親とおばあちゃんと5人一緒に南奥伊豆に1泊旅行です。本当はおばあちゃんは2人来ることができるはずだったのですが、楽しみにしていた旅を目前に他界してしまいました。でも、きっと一緒に旅をして天国で「楽しいねぇ、おいしいねぇ、おばあちゃん一度こういうもの食べてみたかったんだよ」と言っているに違いないと思います。

 
   
だんなの人のお弁当
高田屋うなぎ
わさびソフト
 

10時過ぎの新幹線こだまに乗って11時半に三島で集合です。そこからは車で伊豆を南下。「お昼になったら、”とうちゃん”がおいしいものを食べさせてくれるから、朝は軽くね♪」とだんなの人に言っていたのですが、食欲大魔神が降臨したようです。豪華な駅弁を食べていました。そのためか、お昼のうなぎは2人で1つでよかったくらい。

出発日当日は伊豆でも少し肌寒い小雨の日。マフラーが手放せませんでした。私は実は伊豆に行ったのがはじめて。こういう人って、関東にいて意外と珍しくないですか?「関東で温泉」と言うと、箱根、熱海、伊東とすぐにイメージするくらいなのに。
今日宿泊する大沢温泉は、実はインターネットの仕事をしたときにいろいろと宿の評判や温泉の評判などを調べていて、「行ってみたい!」と思ったお宿なんです。(最初に「行ってみたい」と思ったのは湯田中の椿野です)

だんなの人の両親は、おばあちゃんを連れてよく旅をするのですが、そういう時はいろいろなところを観光するんですって。でも、今日はお天気もあまりよくなかったので途中の道の駅に寄っただけ。私はここで「伊豆の踊り子」看板を発見し、だんなの人を引っ張ってきて撮ってもらいました。(実はこういう看板に顔を入れてみるのは好き)

その後も山道をうねうねと車は行きます。私は、車酔いをしてしまいました。さ、さっき食べたわさびソフトが・・・(@_@)
”とうちゃん”が「どこかで休もうか?」と言っていたのですが、止まるより、一刻も早くお宿について・・・と赤くなったり青くなったり。久々に車に乗ったからか・・・。まぁ、車酔いをするのは若い証拠らしいから。(^−^ゞ

16時頃にはお宿に着きました。川の隣の車が1台通れるか?と言うような道をしばらく行くと、「大沢温泉ホテル」がありました。看板の隣にはひっきりなしに回る水車。大きな瓦屋根の母屋とそれを美しく彩る一本の柿の木がとても印象的でした。土間をくぐると、大きな臼と一休みできる囲炉裏。そしてきれいに磨かれた床と印象的な家紋。そこには静かな時間が流れているようでした。

ひんやりと冷たい空気と耳を澄ますと聞こえてくる獅子おどしの音。
わぁ・・・情報にたがわぬ素晴らしいホテル。ロビーでしばらく待っている。(壁には古い時計や神棚、昔使用されていた酒樽・金庫などがありました)

私もだんなの人もゆったり落ち着きたかったので、いろいろ観光をするではなくすぐにホテルにチェックインしたのは嬉しかったです。
しばらくして、お部屋へ案内されました。私たちが予約したのは母屋にある「橘の間」と言うお部屋。ここは、このホテルの前身である依田家の当主が使っていた部屋とのこと。なんと300年以上も前に建てられたお部屋なのです。(このお部屋が一番古いお部屋でした)

当然、長い年月を経てきたので、ドアの開け閉めにコツがいる部分もありましたが、大切に使っているのは一目でわかります。このお部屋だけ内風呂がないのですが、ここには素晴らしい露天風呂や大浴場があるので必要ないな、って思いました。

トイレはなんと庭を囲んだ先にあります。一度ガラス戸を引いて外に出るんですよ。そういうところがまた、「田舎に帰ってきた」気分満載で楽しかった。ガラガラーと戸をあけては、下駄を履いて意味もなく洗面所へ行ってみる。
そして、今日一日はこの庭が私たちのものなんだーなんて笑みを浮かべてみたりして。

だんなの人は部屋に入るなりごろん。zzzzzz

 
   
この奥が洗面所&トイレ
この広縁もいいでしょ
このホテル手作りの「まゆの里」
 

私はこの間にこのお宿の探検を!!!だってこんなお宿初めて泊まったんだもん。もぉ、嬉しくって嬉しくって。デジカメ片手にうろうろしまくりました。でも、伊豆ってもっと観光地化されていて騒がしいと思ってました。だから、こういうしっとりしたところに来ることができてよかった。

このホテルの特筆すべきは「年代物」と言うことなのですが、そのひとつに「なまこ壁」と言うのがあります。平らな瓦で壁を作るのですが、その継ぎ目を漆喰で盛り上げて格子状に作ります。このときこの漆喰の形が海に住む「なまこ」に似ていることがから「なまこ壁」と呼ばれているのだそうです。

そのなまこ壁がこのホテルの敷地内にあり、それを使用した土蔵がそれぞれ、バー、資料館、客室となっているんです。なまこ壁は防湿、防火、防虫に役立つ壁なのだそうで、「これって現代にも十分通用するじゃない!」って思ってしまいました。

写真をたくさん撮っても、この雰囲気がイマイチうまく表現できないなぁ・・・って思っていました。(ま、プロのカメラマンではないからそれはそれで仕方ないけど)でも、だからこそ、私も「行ってみたい」って思ったんだろうなぁ。ひとり納得。

ホテルに着くと「今年の3月に新館の上に見晴らしの湯”満天”と言う露天風呂ができたんですよ。今は女性の時間なので、よろしかったら是非」とのことだったので、浴衣に着替えて行ってみることにしました。

行ってみると、女性がひとり入っていました。まったくの露天(屋根なし)なので、すげ笠をして入っています。私がおどおどしていると「すげ笠をフロントで借りてはいるんですよ」とのこと。(今日なんて雨なんだから脱衣所にあってもよさそうなものなのに)新館屋上からまた1階の母屋まで往復。

そうこうしているうちに露天風呂には私ひとりになりました。
きもちいーーーー。すっごい開放感。湯田中とはまた全然違う(湯田中は街ビューだったから)。ここは本当に山しか見えない。山と空。そして西の方が明るくなって日の入りがかすかにわかる。

あ〜、とうちゃんありがとう〜!(だんなの人のとうちゃんが出資者。本当に感謝)

お湯はぬるめだけれど、私は熱いとすぐに出ちゃうから、冷めないようにじっくり入ることができてよかったですよ。

夕食前におなかをすかせようと見つけた遊技場で卓球をしました。それが、とうちゃんが何気に強い!私だって卓球部のはしくれ〜(本当にはしくれ〜)なので頑張ったのですが、2回も負けちゃいました。恐るべしパワー。

夕食は地のものを生かした食材でした。鯛のスモークはとってもおいしい!だんなの人は伊勢海老の生き造りを希望していたのですが、私がちゃんと確認しなかったので現地での別注文は不可だったんです。(ごめんよぉぉ)

でも、別注しなくてもたっぷり量があって、おいしかった。(海老は朴葉焼きで出てきました)

 

夜8時になると(9月〜5月)ロビーでお餅つきの行事があります。みんなでお餅をついてそれを食べながらこのお宿の話を聞くのです。中国の方もいらっしゃって、この「日本的行事」にすっごく喜んでいました。子供たちも「これがお米なの〜?」と初めて見る(?)お餅つきに興味津々。いつもとは違ったお宿ライフでした。

 

夕食も食べ終わって、ちょっとお腹が落ち着いてきたら、味噌蔵を改装した「Bar味噌蔵」に行きました。飴色の空気泡が入ったガラス戸はすごく素敵。中に入ると目の前がカウンターで(テーブル席は小上がりで3、4つ)、そのむこうが窓になっていて、夜になると苔と竹が緑色に幻想的に浮かび上がっているんです。

八丈の芋焼酎があったので注文しました。おばあちゃんは疲れたので部屋でうとうとするとのことだったので4人でしたが、いつもは静かなお母さんが楽しそうにしゃべっていました。(来て本当によかったなぁって思いました)

あっという間に11時。
部屋に帰って、もう一度お風呂へ行きました。今度は大浴場へ。そこにも小さな露天風呂がありました。

小川のせせらぎを聞きながら、時々雨露にぬれながらお湯に浸かりました。

朝起きて、朝風呂へ向かいました。ここのお湯はいい!本当に帰りたくない思いでした。ここの「天保の間」(土蔵を改装した客室で多くの文人も泊まった言う)で、作家活動なんかしてみるって言う手も・・・(ないない)

朝食はオーソドックスですが、雑炊があって嬉しかったです。

11時頃宿をあとにして、松崎港へ行きました。お土産のために漁協へ行こうということになったんです。
静かな漁港でした。野良猫がたくさんいて、また、かわいくないんだ、これが。(病気かなーという子もいてかわいそうだった)かわいくないんだけど、「なにかくれーなにかくれー」と足に擦寄ってくるのが哀愁があってまたかわいい。

猫って猫同士で「かわいさランキング」みたいなものがきちんとあって自分たちでわかっているような気がする。かわいい子は「ね、私かわいいでしょ、よく言われるの」って感じだし、ちょいかわいい子だと「あの子よりはかわいくないけど、あいつよりはかわいいよ、愛嬌で売るよ」っていう態度をするの。

でも、なんにもあげられるものがなかったのだ。ごめんなー。

 
   
梅月園の桜餅
伊勢海老だ〜!
だんなの人の桶
 

ランチは松崎町の「味正」と言うお店でしました。だんなの人が「伊豆に来て伊勢海老食べていない〜」ってことで、伊勢海老を用意できるかどうか電話で確かめて行ったの。250gの伊勢海老ですよ、と言われましたが、海老の本体も重量に入っているんだよね。

私は「地魚のにぎり」、だんなの人はそれに鮪がたっぷりプラスされた「おまかせ」にしました。それがおいしいの!普段鮪をあまり食べない私も、「おいしい」って思ったくらい。

長八美術館(コテだけで芸術品を作り出す長八さんの美術館)と黄金崎クリスタルパーク(クリスタルの美術館)へ行きました。

 
   
これは提灯掛けなんです
黄金崎クリスタルパーク
万華鏡のコーナーで撮りました
 
見るもの見るもの全部が物珍しかった伊豆の旅行。みんなが伊豆へ行く意味がわかったような気がしました。
最後まで読んでくださってありがとうございます。ではまた次の旅で会いましょう♪
 
inserted by FC2 system